年を経るごとに色々な体調の変化が出てきます。40代の半ばになるとそれが顕著な形で現れます。体重の増加を気にする中高年の方は多いように思います。長い年月をかけて蓄積した脂肪は、いざ落とそうと思ってもなかなか落ちなくて困ってしまいます。
最近体重が増えてしまった・・・。ダイエットに挑戦してみたいけれど何から始めれば良い?
今回はそんなお悩みにお答えしたいと思います。
記事の内容
- 太る原因は使い切れなかった炭水化物
- ダイエットをするなら食事管理、それとも運動?
- 落としたいのは体重ではなく「体脂肪」
- ダイエットの第三の入り口、記録を取る
- ダイエットの記録は停滞したときの応援団
- ダイエットで頼りになる体組成計
- ダイエットで意外と重要な「睡眠」
- 運動も一緒に行えば効果アップ
- 日記を付けるとダイエットに効果的
太る原因は使い切れなかった炭水化物
ダイエットでは甘いものと脂質を控える。そう思っていましたが、実は少し違いました。
体脂肪が増える原因は脂質ではなく「炭水化物」
炭水化物をたくさん摂る → 太る
炭水化物と脂質をたくさん摂る → 太る
脂質だけをたくさん摂る → 太らない
※1 超一流の食事術 より
意外ですが脂質だけをたくさん食べても体脂肪にはならず排出されてしまいます。それは脂質を体脂肪に変換する際に炭水化物が必要だからです。またタンパク質や脂質は体を修復する働きがあります。カロリーを減らそうとしてタンパク質や脂質が不足してしまうと体調を崩してしまう恐れがあります。ただし炭水化物と脂質がセットになっているスイーツやスナック菓子は控えたいですね。
太る原因は炭水化物
タンパク質と脂質は不足しないように気をつける
スイーツ・スナック菓子はなるべく控えたい
いきなりお菓子をゼロにする必要はありませんが、食べる前にパッケージの炭水化物量をチェックするクセをつけるとヤセ習慣の第一歩です。
ダイエットをするなら食事制限?、それとも運動?
私の体験の紹介をさせて頂きます。2021年10月からキックボクシングを開始。それに合わせてジョギングや筋トレも始めました。それまでは全く運動をしていませんでした。さぞかし体脂肪が落ちるかと思っていた結果がこちらです。
体重は少し減りましたが思うほどではありませんでした。そして肝心の体脂肪率はほぼ変わらないという結果に。
食事を見直して炭水化物を減らしたところ、効果がはっきりと出てきました!
体脂肪1kgを落とすためには約7200kcal分の運動、または食事制限が必要と言われています。
- 運動で脂肪1kgを落とす → ジョギング120km分、1日4km分走って30日間。
- 食事制限で脂肪1kgを落とす → ご飯約1杯分の炭水化物を減らす×30日間。
運動をするとつい食事を多めに食べてしまう事があるので、食事制限でダイエットする方が確実ですね。
カロリー管理よりも有効なPFC管理
使い切れなかった炭水化物が太る原因となる。ダイエット成功のポイントは炭水化物のコントロールが重要になります。
カロリーだけを見ていると炭水化物量が見えづらくなってしまいます。そこで便利な手法がPFC管理です。
P:タンパク質(protein)
F:脂質(fat)
C:炭水化物(carbohydrate)
スーパーやコンビニの食品パッケージを見ると、ほとんどの物にはカロリーと一緒にPFCの記載があります。
体重増加が気になり始める30~40代でのPFCバランスの目安がこちらです。
厚生労働省が示している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」の数字を元に作成した数字です。
炭水化物の量はご飯に換算すると女性で約4.5杯分、男性で約5.7杯分です。
ずいぶんたくさん食べられると思ってしまうかもしれませんが、世の中のおいしいものは大抵炭水化物が多めです。
- コーラ1本:56.5g
- 牛丼特盛り1杯:127.6g
- ポテトチップス1袋:約30g
- ケーキ1つ:約30g
普段の食事の記録を取って炭水化物量の計算してみると驚きの結果が出てくるかもしれません。私が初めて試したときはお気に入りの食べ物がことごとく炭水化物高めでショックでした・・。時間を節約してお腹を満たそうとすると炭水化物が高めになる傾向です。ダイエットを目指すのであればここから使い切れていない分の炭水化物を減らしてゆく必要があります。
砂糖には依存性あり!
デスクワークで疲れた時の気分転換にクッキーやチョコスナックを一口。2,3個くらい食べるつもりが結局全部食べてしまった。そんな経験がある方も多いと思います。甘いお菓子には一時的にやる気を上げる働きがあります。
忙しい時に甘い物を食べたくなるのは自然な流れです。ダイエットをするならココが大切なポイントになります。
いきなり無くすのは難しいと思います。体は急な変化を感じ取るとストレスとなってしまいます。最初にオススメの取り組みがこちら。
記録を取る
最初はガマンをせずに食べた量だけを記録して時間があるときに炭水化物の量を計算してみる方法です。
レコーディングダイエットと言われる方法ですが、私の場合は予想以上の数字に結構ショックを受けました。
人に言われてもなかなか行動する意欲がわきませんが、自分自身で気がつくと「これはマズイ!」という気持ちになります。
まずは1週間くらい記録を付けてみると色々な事が分かりますよ。
食品を買うときに成分の量を気にするようになれば、ヤセ習慣の第一歩です!
落としたいのは体重ではなく「体脂肪」
ダイエットでは余分な炭水化物を減らして体脂肪を減らした方が無理が少なく近道です。
その一方でタンパク質や脂質はPFC目標量を確保してゆきたいですね。ダイエットの方法を間違えると体重は落ちたけど体脂肪は落ちていないという悲しい結果になる事があります。
体脂肪は筋肉の活動によって分解されて行きます。タンパク質や脂質が不足してしまうと筋肉が減ってしまいやせにくい体質になってしまいます。
炭水化物が減って活動のエネルギーが不足してしまうのでは?
という疑問がでてくるかもしれませんがご安心下さい。体には糖新生という働きがあり体内で糖を作り出す事ができます。その時のエネルギー源となるのが脂肪です。この脂肪をエネルギーにする習慣を付けることが大切です。炭水化物は効率良くエネルギーにする事ができるので炭水化物が余っている状態では脂肪は燃焼されません。脂肪をエネルギーにする習慣をつければ体脂肪を落としやすくなります。まずは間食や清涼飲料水などの「取り過ぎの炭水化物」を減らして見てください。慣れてきたら朝か夜の主食を減らして脂質を少し多めに摂るなどにチャレンジしてみて下さい。
いきなり脂質中心の食事に切り替えると体が驚いて体調が悪くなる事があります(筆者体験)。舌が肉やバターの味を受け入れず食事が喉を通らなくなりました・・・。少しずつ食事内容を変えて行き、今では3食主食を抜き、果物を取り入れて炭水化物を減らしています。ここまで炭水化物を減らすと面白いように体重・体脂肪が落ちて行きます。タンパク質・脂質・野菜はしっかりと摂りながら炭水化物を減らす事が大切です!
ダイエットの最初の取り組みは「記録」と「置き換え」がオススメ!
新しい習慣へのチャレンジは最初がとても大変です。慣れない事を始めるのはどうしても面倒に感じてしまいます。食べたものを記録する、炭水化物量を記録する、今までの食事から炭水化物が多い物を少ない物へ置き換える。一度に全部やろうとするとかなり大変な作業になります。一番手軽で効果的な取り組みが「体組成計を導入する」です。
体重計と違う点は体脂肪やBMIなど色々な項目を測定してくれます。安い物は2000円台からでもあります。
測定精度なども機種によって違うようなので、自分にあった1台を選びたいですね。
ダイエットをしている最中に良くチェックする項目は「体重」、「体脂肪率」、「骨格筋率」です。
体重が減少 + 骨格筋率が増加・体脂肪率が減少 → 順調なダイエット
体重が減少 + 骨格筋率が変わらない、または減少 → 栄養バランスに要注意!
体脂肪がうまく燃焼できていれば体重が減ると共に骨格筋の割合が増えます。
ところが必要な栄養が不足してしまうと筋肉を分解して体重を減らしてしまう事があります。
そうなると脂肪が燃えにくくなり、リバウンドしやすい体質になってしまいます。
体脂肪計で毎日チェックしておけば、栄養バランスが適切か判断する事ができます。
体組成計を選ぶ際にチェックしたいポイントはこちらです。
価格
測定の精度
スマホ連動の有無
スマホアプリの使いやすさ
ネットのレビューを見ていると測定精度が不安定なものもあるようです。ダイエットは長い取り組みです。せっかく選ぶのであれば信頼できる1台にしたいですね。
体組成計は体重以外にたくさんの数値が出てきます。毎回記録を取るのはかなりの負担になります。
スマホ連動で良いところは数値の変化をグラフ化してくれる事です。これが時間が経つに従い効果が大きくなります。
こちらは体重が順調に落ちている時のデータをグラフ表示と数値表示で比較した物です。どうでしょうか?グラフだと感覚的に順調な様子が伝わってきますが、数値だとあまり実感がわきません。ダイエットはグラフのように数値が上下を繰り返しながら進んで行きます。そのため全体の傾向がとても掴みづらいです。
ダイエットがうまく進んでいるかな?と不安になる事が良くありますが、そんな時にグラフを見ると冷静な判断ができます。
ダイエットが順調に進むパターンが身についてくるとグラフの変化を見る事が楽しくなります。こうなればヤセ習慣が安定軌道にのります。個人的な感覚では、
体組成計を選ぶ時は「スマホ連動型」
の一択です。私はオムロンの体組成計を使っていますが測定精度が安定している印象で、アプリが見やすくて使いやすいです。日本製なので安心感があります。迷ったら是非検討して下さい。
体脂肪の減らしすぎに要注意!
ダイエットが順調に進むと記録をみるのが楽しくなり、もっと減らしたくなってきます。だけど過度なダイエットにご用心ください。体脂肪率が男性で10~15%、女性で15%を切ると体調の不具合が出やすくなります。健康なダイエットを続けて行くためにも体組成計による体脂肪率のチェックは大切ですね。
ダイエットで意外と重要な「睡眠」
睡眠不足で疲れが取れない中、頑張って残業。ラストスパートの気合いを入れるためクッキーやエナジードリンクをチャージ。忙しい時はつい甘い物やカフェイン系のドリンクに手が出てしまいますね。ただ、ダイエットではできるだけ避けたい状況です。夜の炭水化物はエネルギーとして消費する機会がほとんど無いため体脂肪になりやすいです。そして夜のカフェイン。
カフェインは半分の濃度に分解されるまで約4時間
と言われています。つまり夜の追い込みでコーヒーやエナジードリンクを飲むと眠りが浅くなってしまいます。
翌日もお仕事であれば寝不足・パフォーマンス低下の状態でその日も仕事に取り組む事になります。
寝不足の人は太りやすい傾向にあります。その理由は寝不足によるホルモンバランスの乱れです。
- 食欲抑制ホルモン「レプチン」の減少
- 食欲が増すホルモン「グレリン」の増加
ダイエットをする上で、夕方以降のカフェイン摂取・クッキーなどの間食はできるだけ避けたいですね。
睡眠の質を良くするコツは
- 定時睡眠・定時起床を心掛ける → 入眠が速やかに、寝起きがすっきりの習慣に
- 夕方以降のカフェインを避ける → カフェインが半分の濃度に分解されるのに約4時間
- 寝る30分前にスマホやネットを見ない → 脳が活発になるような事をしない。寝る体勢を整える
この中でも「定時睡眠」が一番難しいですが効果も大きいです。早めに寝る習慣を付けると自然と目が覚めるようになります。すぐに眠りに入ってパッと目が覚めるので睡眠の質の向上を実感できますよ。睡眠時間は7~7.5時間を目指すと良いです。
睡眠が充実してくると食べたい物も変わってきます。気持ちに余裕がでてくるため体に良さそうな物を選ぶゆとりが出てきます。
こうなれば好循環が回って行きます。
運動も一緒に行えばダイエット効果がアップ
食事で体重が落ちてくると歩く・立ち上がるといった日常動作が楽になってきます。特に5kg以上体が軽くなると「何となくパッと動ける体」に変わってきます。今まで装着してきたおもりが無くなって、体の動きが軽くなります。
食事によるダイエットと合わせて運動を取り入れるとさらに効果的です。体脂肪は筋肉の働きで燃焼します。運動をして筋肉の量を増やせばダイエットの効果はさらにアップします。運動と一緒に食事のタンパク質を増やすと筋肉が増えやすくなります。運動を初めて筋肉痛になってしまった方はプロテインなどを活用すると手軽にタンパク質を摂ることができます。
日記を付けるとダイエットに効果的
ダイエットを順調に続けてゆく上で、意外と効果がある取り組みが「日記をつける」です。就寝時間、起床時間、食べたものなどを付けていると色々な傾向がみえてきます。特に睡眠時間を付けていると「寝不足の日が続いている」などに気がつく事ができます。つい食べ過ぎ・飲み過ぎてしまうパターンを発見することができれば「ヤセ習慣」の貴重な情報です。小さな発見の積み重ねは意外と楽しくて良い成果に繋がるとダイエット継続が楽しくなってきます。
日記は慣れるまでが少し面倒ですが、最初は日付と就寝・起床時間だけでも大丈夫です。少しずつ記録が積み重なってくるとヤセ習慣発見のヒントが見つかってきます。
まとめ:ダイエットを始める際に抑えておきたいポイント
今までの内容をまとめると
- 太る原因は使い切れなかった炭水化物
- ダイエットを始めるなら運動より食事管理の方が確実
- 落としたいのは体重ではなく「体脂肪」
- 体組成計はダイエットの強い味方
- ダイエットでは「睡眠」が意外と重要
- 日記を付けるとダイエットに効果的
ダイエットは長い時間を使って取り組むので最初の方向を間違うと大変です。いきなり強い食事制限をしていまうと体への負担が大きく続けてゆく事が大変になってしまいます。少しずつやせる食事にシフトして行くと体や味覚が徐々に慣れてヤセ習慣が少しずつ定着して行きます。
やせる食事をおいしく感じるようになってくるとリバウンドの心配をする事もなくなり体重計に乗ることが楽しみになってきます。勉強やスポーツのようにダイエットにもコツやポイントがあります。自分に合った習慣を見つけて快適なダイエット生活をお楽しみください!